穴ぐら総出の歓迎も、通じなければ意味がない。
主ないきものご紹介
赤デデ
「赤デデ」とは、地元住民による俗称で「赤くてでかい」という意味。
穴ぐらの奥深くで暗闇から滲むように現れるが、見た者が腰を抜かしている間に忽然と姿を消してしまうため、目撃報告が多いわりに、その生態は謎に包まれています。
危害を加えられたという報告はないため、穴ぐらに来た者を友好的に出迎えているだけなのではないかという説もあるようです。
だまし穴
「だまし穴」は、地元住民による俗称。
穴ぐらでは、壁や地面にできた穴を覗き込むと、笑顔のようなものがぼんやり浮かぶという現象が報告されており、長年怪異の類と気味悪がられてきました。
しかし近年の研究により、笑顔のようなものは、穴に潜む甲殻類が発する神経系物質による幻であることが分かってきました。穴より大きなサイズの種が近付いた場合のみ笑顔を模した幻を見せるようですが、それが威嚇のためか、歓迎のためか、定かではありません。
ヒゲうね草
「ヒゲうね草」は、地元住民による俗称。名の通りうねうねと動きますが、動物ではなく植物の一種です。
ヒゲの生えた老人のように見える組織はガクで、拾い物の貝殻や骨(まれに服飾品)で花弁などで覆い隠しています。
普段はツル状の茎を地面に這わせていますが、別種のいきものが近付くと、茎を起こして左右に揺らすこともあります。音に反応しているという報告もありますが、なぜ動くのかまでは解明されていません。
(2001.9)