二つ頭の竜が船頭する湖

舵取りは、二頭もいらない。

二つ頭の竜

湖の渡しを生業とする二つ頭の竜。

数百年単位で頭が生え変わり、新しいものと古参のものが常に共存しています。どちらも船頭としてのプライドが高いため、意見が食い違い、湖上で立ち往生することもしばしば。今回は、より早い進路か、より安全な進路かでもめているようです。

なお、互いの言葉は小さなぼやきまでよく聞こえますが、客からの苦言や提案に対しては聞く耳を持っていないようです。

たゆたうものたち

川、湖、海、水たまりなど、あらゆる水面にたゆたう藻の一種。小さな藻の集合体で、光と水と流れがあれば生きていけます。

どれも同じように見えますが、よく見ると形や色が少しずつ違います。

流れが停滞すると湖沼を覆うほどの巨大な塊になることがありますが、水の入れ替わりがない中心部から腐って死んでしまいます。長生きの秘訣は、常に新しい流れを受け入れることだとか。

(2016.10)

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