はるか前方に、猫にひれ伏している人の姿が見えました。
エサをあげたり、なだめすかしたりするそぶりはありません。まるまる猫の前にうずくまり、ただじっとしています。
都会にはいろんな人がいますが、「早朝、屋外で猫の至近距離にせまり、土下座スタイルでじっとしている人」というのは、それまで見たことがありませんでした。
わたしは咄嗟に「ネコ教だ!」と思いました。おネコ様を尊いものとする新たな宗教の、朝の礼拝的なものなのではないかと推測したのです。
その人はわたしの進行方向にいたので、近づかざるをえません。内心どきどきしながら歩いて行くと・・・猫の間近で熱心にカメラをかまえているのが見えました。
ちょっと、ほっとしました。