月桂樹の根を切るのこと

レモンちゃんとともに、鉢替えした月桂樹。

地上に見える部分は、元気いっぱいではないことは分かるが、明確にしおれたり、弱り切っていたりする様子は感じられなかった。ただ、今までよりカイガラムシがつきやすかったり、葉っぱがすすけたようになっていたりと、少しだけ違和感はあった。

鉢から引き上げてみると、これ以上は無理だろうというくらい、今までの鉢いっぱいにぐるぐると根を張り、窮屈でしかたがなさそうだった。

伸びきった根を豪快に切り、土を変え、もう少し大きめの鉢に移し、たっぷりと水をやる。

また、元気になるだろうか。

レモンちゃんの鉢のなかにミミ様のこと

レモンちゃんにもっと大きくなってほしい。そんなえこひいきのこころが止まらず、鉢替えをすることにしました。

レモンちゃんを持ち上げると、土は柔らかく、思いの外すっぽりと抜けました。根があんまり張らなかったのかしらと思ったら、土の中にはミミ様(注)が住んでいらっしゃいました。

なんとすばらしい!

ミミ様も、レモンちゃんの新しい鉢に移動していただくことにしました。

これからもよろしくお願いいたします。

注)ミミ様とは:ミミズのこと。土を耕してくれる尊い生きもの。ミミ様の存在は大変ありがたいので、畑で出会うたび「ミミ様!」と呼び、尊敬の気持ちを表している。

基本の「き」がわからないのこと

いただきものの、おいしいあまなつ。

昨今、無農薬の柑橘系はなかなか手に入りません。これは皮までおいしくいただくチャンスです。

このチャンスは、去年も巡ってきました。あまなつの皮を甘く煮詰めるシンプルなお菓子を作りましたが、残念ながら、舌がビリビリするような苦味が残り、とても食べられませんでした。

原因は、わたしが、下ごしらえの基本の「き」を、わかっていなかったこと。

柑橘系の皮の苦味をとるためには「水にさらす」「ゆでこぼす」という工程がありますが、どのくらいの時間さらすのか、水替えをするか、ゆでこぼすときの沸騰の目安など、ひとつひとつの手順に細かな決め手があるのです。

昨年は、手軽にネットでレシピを検索し、なんとなく作っていましたが、基本の「き」も知らないわたしには、お手軽レシピはハードルが高すぎたのです。

今年は、母上さまのご指導のもと、母が十年来大事にしている料理本を見ながら、手順をひとつひとつ確認して作り、なんとかおいしく食べられるものができました。

「全く知らないこと」を「知っていること」に変えるためには、文字や画像情報だけでは足らないのだと、痛感しました。

レモンちゃんを動かして失敗するのこと

朝、ふと庭を見ると、レモンちゃんの植木鉢に日の光が当たっていませんでした。

これはいかんと思い、鉢をずるずる動かして、そのとき一番よく光が届いていた場所へ移動。しばらくここに置いておこうとえこひいきしていたら、ほんの一時間足らずのうちに、レモンちゃんは再び日影に入っておりました。

レモンちゃんがもともといた場所は、我が家の庭で最もよく光が届く場所。そもそも移動する必要などなかったのです。それを、たまたま光が届かない時間帯に見かけたわたしが動揺し、いらんことをしてしまったというわけです。

レモンちゃんレモンちゃんとうるさいわりに、普段のレモンちゃんをよく見ていない証拠ですね。

結局レモンちゃんには、もとの場所に戻っていただきました。

少しずつ、わかり始めるのこと

暮らし方を変えてみると、思わぬ発見がある。

例えば、せっけんシャンプーは「髪がサラサラつやつやになる」が謳い文句の他のシャンプーと違って、洗い上がりの指通りはいまいちである。しかし、ドライヤーで乾かすと、髪が乾ききった瞬間に指通りがサラっサラになるのだ。その急激な変化が面白いと思う。

例えば、家のなかで虫を発見したとき、昔は「自分のテリトリーに侵入したものを排除しよう」と躍起になっていたが、虫が好きになるにつれ、侵入した虫が窓辺で死んでいるのを疑問に思うようになり、ようやく、今の我が家は虫にとっては、ごはんも生息環境もない死の世界であることに気がついた。そして、たくさんの生きものを養うことができる豊かで懐の深い外の世界が、ひたすら美しく魅力的に見えるようになった。

小さなことだけれど、少しずつ、わかり始めていると感じている。

1日だけでものこと

一日中家から一歩も出ないという経験は、十年近く前にインフルエンザのようなものに苦しみ、布団とお風呂とトイレを往復したとき以来のこと。

あのときは身体がしんどくて一日の大半を寝て過ごしたけれど、起き上がれるまで回復すると今度は布団でゴロゴロしている方がしんどい(身体のあちこちが寝すぎで痛い)と思いました。運動嫌いで常時ぽっちゃりしているわたしでさえ、健康な時に動かないことはしんどいのです。

なんとかせねばなー。

口布型マスクのこと

マスクが手に入りにくい昨今。せめて自らの飛沫をとばさないよう手作りマスクを着用する方も増えています。いろんなタイプの手作りマスクがありますが、カチッと顔にフィットした形が忍びの口布っぽくてカッコいいなと思っています。

新品なんざ手に入らなくても、そのへんのものを散々繕い直し、擦り切れても使い続けたヒトビトの子孫であり、そもそもほんの少し前までは、日々の衣は買うものではなく、反物や布から自分で仕立てることができた力量があったはずなのですよ、わたし。

早寝のこと

とにかく今は、はやく寝るようにしています。

はやく寝るようになると、午後9時くらいにはもう眠たくて、あくびばかりするようになります。

子どもの頃に戻ったようです。