通りすがりのこと

街を歩いていると、こんなにたくさんのヒトの人生が交錯しているのかと、途方もない気持ちになることがあります。

アマガエルに有頂天のこと

ひんやりとして居心地の良さそうな隙間に、ぺとりと張り付くアマガエルを見つけたときの喜びといったら!あまりの可愛らしさにどうにかなるかと思いました。

自分のなかに感情のスイッチやメーターがあるとしたら、一瞬で「有頂天」側に振り切れていましたね。思いがけないところで、小さないきものに出会えると、心が満たされた気持ちになります。

アマガエルがそこらへんにいる世に生きられることが嬉しいです。

月と同じのこと

夜ベランダに出て驚いた。月の光が強すぎる。

きっと満月に違いないと見上げると、まだ満ちる前の月だった。まんまるになっていないのに、地上に一直線に届くパワーがすごい。

お坊さんから、月とヒトの心は同じだというお話を聞いたことがある。本当はまんまるで満ち満ちて美しいが、時によっては雲で隠れたり、姿が見えなかったりもする。

ひとりひとりの心は、こんなにも美しいのか。

ハッカ油にお世話になるのこと

今年の夏、特にお世話になったのはハッカ油でした。

蚊に刺されたとき、風呂上がりであせもが気になるとき、いつでもハッカ油を塗りました。

部屋にハッカ油の香りがこもり、扉を開けたとたんに「くさい」と閉められるくらい、ハッカ油にお世話になりました。

ハッカ油以外にも、生のハッカを摘んでお風呂に入れたりもしているし、今年の夏はハッカにとてもお世話になっています。

未だに蚊帳をつって寝るのこと

秋です。暦の上でも、朝晩の気候的な意味でも、すっかり秋です。天高く、ごはんも美味しい、秋です。

とすれば、蚊に煩わされる日々はもう終わりと、はっきり申し上げたいのに、未だに蚊帳をつる日々です。

毎年毎年悩まされているのに、いつ頃から蚊がいなくなるとか、すっかり忘れてしまうのです。

うう、喉元過ぎれば暑さを忘れることばかりです。

クズの花のこと

地面にパラパラと紫の花が落ちている。藤の花のようにも見える、それはクズの花だ。

咲いてる姿を拝もうと、見上げた場所には樹の葉が生茂り、クズの花を見つけることができない。

少し離れた場所から見ると、樹の上の一番日当たりが良い場所を陣取り、紫の花を咲かせるクズの姿が。

妥協しない感じかエネルギッシュよね。

あてずっぽうの歌を歌うラクガキのこと

あてずっぽうの歌を歌うラクガキ。

蝉、コオロギ、キリギリスなどの虫、鳥たち、犬たち、カエルたちなどなどなどなど。空間を埋めるくらいの爆音や美しい声や面白い音をもつ生きものは数知れず。

他の生きものはヒトの歌を聞いてどう思ってるんだろう。

秋分のこと

本日は秋分の日です。

暦の本では、秋分から雷は鳴り止み、虫は地に潜ると書かれていました。

それを読み、今年は9月に入っても夕立のように天気が急変し、雷が鳴ることが多いと感じていましたが、秋分あたりまではなるものだったのね、と、少し安心しました。

虫は本日も元気に飛んでいましたが、もうそろそろ土にもぐろうとしていたのなら、昨日のカエルが虫を食べるために飛び回っていたのも頷けます。

暦って、すごい。

殺生とハエとカエルのこと

農園の草を刈り、土を耕すと、生きものがわんさか飛び出してきます。

クモは飛び去り、貝は殻に潜り込み、アリは卵を抱えて逃げ惑い、ミミズはのたうちまわり、イモムシは転がり、甲虫たちは慌てふためく、パニック状態。

なるべく傷付けぬようクワではなく先が3本に分かれたスキを使うものの、耕したあとにはいつもスカベンジャーであるハエたちがぶんぶんと寄ってくるので、またたくさんの命を殺生したのだと気づくのです。

本日はさらに、そのハエたちを食べるためにカエルたちもたくさん寄ってきました。

いのちはめぐっている。