チャタテムシのこと

昨日、思わぬところで、シロアリっぽい半透明の虫を一匹見かけた。

シロアリだったら大変だ(家が)ということで、思わずつぶしてしまったが、後で調べてみると「ヒラタチャタテ」という、茶立虫(チャタテムシ、別名、湿気虫)の一種のようだ。

のほほんとした顔つきに加え、動きものそのそとしており、「刺す」「噛む」「血を吸う」などのヒトへの直接の害はなさそうだ。

ありとあらゆる場所にいて、貯蔵した食品や標本となった動植物、カビ、昆虫の死骸のかけらなどを食べるそうだが、それって、ものすごく大事な役目じゃないか。

アリや茶立虫、菌類・カビ類などの多様ないきものおかげで、この世はありとあらゆるものの死骸で溢れずにすんでいるのである。こんなの、我々ヒトには、到底真似できない。ものすごく、すごい。

ちなみに、「茶立虫(チャタテムシ)」という由来は、その鳴き声が茶せんでお茶をたてる時の音に似ているとの書かれていた。ものすごく、風流。

そんな素敵な名前をつけたときの、日本人の心意気に戻りたい。

家電はたまに一気に壊れるのこと

朝起きると、我が家の主要なテレビと洗面所の照明の電気がつきませんでした。

昨夜までなんの兆候もなかったので、我が家(主に、テレビ大好きっ子の父)の動揺が激しかったのですが、別室にあった小さなテレビを備えつけ、なんとか収まりました。(洗面所の照明もつけかえました。LEDのはずでしたが寿命が短かったような・・・?)

これを機に、テレビのない生活が始まるかと思うとワクワクしましたが、テレビ大好きニンゲンの素早い対応になすすべがありませんでした。

さらに同日、仕事から帰ってみると、電子レンジもエラーコードが出て動かなくなり、我が家(主に、電子レンジに頼りきっていたわけではないけれど、思いの外ショックだったわという母)の動揺が激しかったのですが、説明書やネットを見ても対処しようがなく、諦めざるをえませんでした。

「明日の朝、電子レンジを使わずに冷ごはんをいかにして美味しく食べられるようにするか」→「おじや作ろう」というような発想力が広がりとても良いなと思いましたが、明日必ずレンジは買うぞ、という話になり、このままレンジなし生活に突入ということにもなりませんでした。

うーむ。

カラスとわたしのこと、その2

ぼんやり歩いていたら、すぐ近くでカラスの声がして驚きました。

見上げると、すぐそばのカーブミラーの上にカラスが一羽とまっており、驚いた拍子に「うわびっくりした、おはよう」と謎のあいさつをしてしまったわたしに、少し戸惑ったような視線を投げかけてきました。(わたしには、近くにいる生きものに話しかけるくせがあります。(ただし、近くにヒトがいない場合に限る。))

カラスとわたしの間には、過去にも多少の出来事があります。

数年前の春〜初夏ごろには、甲高くしゃがれたような、これまで聞いたこともないような異様なカラスの声を聞きました。時期的に「卵かヒナを守っているのだろう」と推測し、近寄らないようにせねばと思いました。案の定、声のするあたりの木の下を歩いていたおじさんがカラスに頭を蹴られています。幸いなことに、わたしの進行方向は、巣があると思われる場所と反対だったので足早に離れようとしました……が、なぜかカラスは、遠く離れていくわたしの背中に向かって、突進してきたのです!

生まれて初めて、別種の生きものから攻撃されたことに驚きましたが、同時に衝撃だったのは、カラスの攻撃がものすごくソフトタッチだったことです。旋回するカラスの羽先が、背中に「フワアッ」と掠めたくらいの感触。このやさしい攻撃のことを、忘れることができません。

確かに、卵を守るためだとはいえ、相手を攻撃したことによって自分の身体を痛めてしまっては、これからヒナを育てるのに多大な支障がでます。カラスとしては、ナワバリの範囲外に出てもらえればいいのであって、無用な攻撃をする必要性も感じていないのです。

やっぱりカラスはすごく賢いなと思いました。かっこいいなー。

ギンヤンマが卵を産みにくる池のこと

とある公園の人工池で、ギンヤンマのつがいが卵を産んでいた。

ギンヤンマは、オスがメスの後頭部をしっぽの先で掴んだ状態で、水草などの表面に卵を産み付けていた。じっくり見たのは初めてのことである。すごい。

この池は、いまや生きものに人気のスポットで、ギンヤンマの他にも、ナワバリ争いに忙しいシオカラトンボや、単独で卵を産みにくるシマシマのトンボ、何気なく通り過ぎる赤とんぼもいた。さらに、別の個体を追いかけ回すアメンボ(求愛行動か?)や、マイペースなヌマエビ、集団でいるのは好きだけど結構各々自由に過ごしているメダカ(?)、藻から時折飛び出して空気を吸いにくるアカミミガメの子どもなどの姿も見られた。(アカミミガメは、今までこの池には見かけなかったので、この夏、無責任なヒトに放されたのかもしれない。アカミミガメは外来種に指定されており、野外に放すことは禁止されている。

ガマなどの水草が植えられる前は、ただ水底の石に藻がびよびよついているだけの、ちょっと汚らしい印象の池だったのに(その時だって、ヌマエビさんはいたし、時期になればオタマジャクシも楽しそうに泳いでいたが)、今ではこんなにたくさんの生きものが暮らしやすそうな場所になっていることに少し感動した。公園管理のヒト、ありがとう。どうぞその方向性のままでお願いします。

ちなみに、カメラをもった男性が「藻が生えててキレイじゃない」と言って撮影を渋る現場にも遭遇したが、命溢れるこの池こそ胸をはって自慢できるものであると、わたしは思う。

ありがたいのこと

いろいろ用事もあって、名古屋を歩き回りました。

途中、熱田神宮にも立ち寄り、大楠さんにもごあいさつしました。

大楠さんがとても好きなので、しばらくぼんやりと見上げていたら、親切な方が、クスノキに住むヘビさんたちのことを教えてくれました。よく見ると、根元に卵もお供えされています。なんとなんと!ヘビさんの姿は見えませんでしたが、わたしはそのことを全然知らなかったので、教えていただけてものすごく嬉しかったです。ありがたや〜。

所変わって、夜は、様々な場所で様々な方法で活躍されている方々のお話を伺う機会がありました。すごい人は、ちゃんと、います。ありがたい。

自身をふりかえると、いつだってしょんぼりしてしまいますが、自分の理念を少しずつ実現するために、ここで大好きな自然のことなどを書いているのだし、細く細く長く続けていくことだとも思っているのです。

蜘蛛の糸はちょっとやそっとじゃ切れないんだぜ。

ツワブキさんのすごさのこと

皆さま、蚊に刺されたとき、どのように対処されますか?

わたしは、ツワブキさんのお世話になっています。

ツワブキさんの葉っぱの端っこを少しちぎらせてもらい、蚊に刺されてぷくーっと腫れた場所にぐりぐり押し付けていると、そのうちジュワッと葉の汁が出てきます。

それをよく揉み込むようにつけると、かゆみはたちまちなくなり、赤みも引き、そのうち刺された場所さえ分からなくなります。

すごい効果。

もちろん、個人差もあるのでしょうが、我が家ではとても重宝しています。

ポイントは、掻く前にツワブキさんの汁を塗り込むということ。かゆみにまけて掻いしまうと、ツワブキさんの効果でかゆみはなくなっても、しばらく跡は残ることが多いです。

本日も、お世話になりました。

子どもは台風のこと

台風が来ているので。そして、「子どもの宇宙」(河合隼雄著・岩波新書)という本を読んでいるので。

子という存在ひとりひとりの力強さは台風並みであると思う。

その点、大人などは、もう、あれだ、ほら、搾りかすだ、なんかの。いろいろ搾り取られて、素晴らしい部分はだいぶん減ってしまったけれど、まだまだ何かに使えるし、肥料にはもってこいだよ!という感じのだ、うん。

でも、おじいさんおばあさんになると、それはそれでまたとても満ちてくるようなイメージがあるのである。

わたしの人生観はだいぶヘンテコかもしれない。

田舎の夜は怖いのこと

程よい田舎の夜は、なかなか怖い。

主要な通りはいいものの、少し内へ入ると照明も点々としている。細い鉄製の棒の先から落とされるオレンジ色の光は、スポットライトのように狭い範囲のみを映し出し、それ以外は真っ暗闇である。

暗闇も怖いし、オレンジの光も怖い。まさに、お化け屋敷いらずである。

というわけで、全力疾走で家に帰りました。