ウール100%のセーターのこと

アクリルやナイロンなどのプラスチック製品ではなく、綿やウールなどの自然素材の衣料品を選びたいと考えて、何年か経ちました。

商品が溢れる量販店のなかで自然素材の衣料品を探し出すのは、山で宝石を探しているのかと思うくらい難しいことですが、結構楽しんでします。

先日、無印良品の男性用コーナーにてようやく、手洗いできるウール100%のセーターを見つけて即購入しました。男性用Lサイズなので少し袖が余りますが、下にたくさん重ね着するため、ざっくり着るサイズとしてはちょうど良く、気に入っています。

女性用コーナーで、ようやく見つけた綿・ウール製品には、数パーセントのポリウレタンが含まれていることが多いので、わたしには男性用コーナーの方が合っているかもしれません。

キャベツの成れの果てのこと

これは、キャベツの成れの果てです。

4月、農園で収穫し終わったキャベツの株元から、新たな芽が顔を出しました。

放っておいたら蕾がついたので、持ち帰って庭に植えました。花を楽しみ、ついでに種がとれたら面白いなと思ったのです。

しかし、菜の花のような黄色い花はついたものの、あまり元気がなく、種になる前にしおれてしまいました。

このまま株ごと枯れてしまうかと思いきや、茎や葉は元気な緑色のまま、初夏になりました。

5月、たくさんのチョウたちが庭を訪れるようになりました。

なんとか根付いたキャベツのもとにはモンシロチョウが卵を産み、たくさんの幼虫たちを養うことになりました。

穴の空いた葉だらけになったキャベツ。もはやこれまでかと思いきや、豊富な幼虫を求めて、トカゲやスズメが毎日パトロールするようになりました。

小さな小さなキャベツの上で、毎日たくさんの幼虫が生まれ、大きくなる前に食べられるというサイクルが出来上がったのです。

穴だらけでぼろぼろだったはずのキャベツは、だんだんと大きくなっていきました。

9月、夏から続く暖かい季節はチョウの全盛期。モンシロチョウも毎日庭を訪れて卵を産むので、たくさんの幼虫が育っているはずなのに、キャベツはぐんぐん大きくなりました。

虫害に遭ったしょんぼりキャベツは、いつの間にかたくさんの幼虫を養うことのできるすんごいキャベツになりました。

すごいぞ、キャベツ!

放っておくとこんな形になることも、虫たちを養えるほど立派になることも、知らなかったよ。

ありがとう、キャベツ!

これからもキャベツの成長を見守りたいと思います。

綿100%裏起毛スウェットシャツ&パンツのありがたさのこと

このところ急に冷えて、ペラペラのパジャマだけでは過ごせなくなりました。

巷に溢れるアクリルやナイロンなどのプラスチック製品ではなく、綿やウールを選び使いたいわたしにとって、冬は厳しい季節です。

しかし、今年は綿100%の裏起毛スウェット&パンツがあります!店頭で見つけた時は、綿でも裏起毛ができるんだと驚きました。

綿だからといって重さがあるわけでもないし、本当にあったかくて、とても嬉しいです。作ってくださってありがとうございます。

桑という木のこと

桑(くわ)という木のことは知っていました。

かつて養蚕が盛んだったこの地域には桑畑のなごりがあちらこちらにあり、地元では桑の実や葉を使った名産品づくりが話題になったこともあります。しかし、「たくさんある木の中から桑を見つけてごらん」と言われたら戸惑ってしまうくらい、わたしにとって桑の存在は希薄でした。

しかし、今年おカイコ様を育てたことで、わたしのなかの桑の存在が一変。道端で見かけるたびに「あ、桑がある」と言ってしまうくらい、大きな存在となりました。

桑は、その実を食べた鳥たちがフンと一緒に種を遠くへ運ぶようで、夏の盛りには若い芽がそこかしこに顔を出すたくましい木なのだということも知りました。ただ、大変残念なことに、生えてくる場所が公園や道路端、河川敷だと、除草剤をまかれたり、安易に切られてしまったりして、大きくなることは難しいようです。

本日は、公園に残された大きな桑の木が悠々と黄色く色づいているのを発見し、初めて桑が黄葉することを知りました。みずみずしい大きな葉っぱが、緑と黄色に色づく姿は圧巻です。

こんな優雅な木が、街のそこかしこにたくさんあるといいのになあ。

ニンジンくささのこと

ニンジン

幼い頃、ニンジンは嫌いな食べものの一つだった。

食べられないわけではないけれど、大きなかたまりはなるべく避けたかった。だって、喉の奥からオエッとする、あの匂い!特別苦手だったのがミックスベジタブルで、ニンジンもさることながら、その匂いがうつったグリンピースが最悪で、給食に紛れ込んでいると牛乳で噛まずに飲みくだすほどだった。

しかし、大人になるにつれ、ニンジンを食べてもオエッとしなくなってきた。むしろニンジンの自然な甘味を好ましく思うようになった。

特に好きなのは、農園でとれる無農薬ニンジン。

セリ科特有のスッとする匂いが強くて、程よく甘い。生で食べると特に美味しい。

わたしの味覚が鈍感になったのだろうが、嫌いなものを好きになれるのは嬉しいことだ。

理由なく得意なことのこと

理由はわからないけれど、得意なことがある。

絵を描くこと。生地とはかけ離れた糸でかけつぎをすること。冷蔵庫のあまりものを使って料理すること。庭木が気持ちよく過ごせそうな形に剪定すること。

でも、技巧的な絵の描き方は苦手だし、元通りの生地に戻すようなかけつぎの技術はないし、いちから食材を用意して分量を測って料理をつくるのは性に合わないし、枝をねじ曲げたり四角く刈り込んだりするような不自然な剪定を自分がするのは嫌だ。

わたしの得意の範囲はとても狭いが、そんな自分が気に入っている。

「地球って生きてるの?」のこと

新しく噴火した火山からドロドロと真っ赤にきらめく溶岩が流れ出る映像を見ながら、父が言った。「地球って生きてるの?」

わたしはすかさず「もちろん!」と答えた。「わたしたちは、生きた地球の皮膚に住む細菌みたいなもんさ。」

うちの家族は「ブラタモリ」や「世界遺産」などのテレビが好きで、録画したものを何度も見ては、地球のダイナミックな面白さに感動しているのだ。

地震も火山も、大地の隆起も沈降も、風雨による侵食も、生きた地球の営みのひとつ。わたしは、その上に住まわせていただいている小さな命のうちのひとつ。

そう考えると、体は小さく、心はでっかくなった気がする。

おなかをあたためてくれる白い毛布さん

気温が、急に下がりました。

昨日まではフローリングに座っても平気だったのに、今日は座布団をひかないと下からじわじわ体が冷えてしまう気がします。

おなかが冷えたら、白い毛布さんの出番です。どこにでもある、ただの白いブランケットですが、お腹が痛い時のわたしを何度も助けてくれた、実績ある毛布さんです。

おなかが不安なときは、おなかにぐるぐるまきにすれば、もう安心です。いつもありがとう、毛布さん。

今年のおダイコンのこと

今年は秋冬野菜が順調です。今まで、ベビーリーフくらいの大きさにしか育たなかったことを思うと、ものすごく成長を感じます。特に成長したのは、農園の土と生きものたちです。

初めに畝をたててからなるべく耕さないようにし、土とそこに住む土壌生物たちにお任せするよう心掛けてきた成果が、ようやく出てきた感じです。

特にダイコン。

ダイコンの美味しさがすごいです。どこを食べても美味しいので、皮を剥かずに食べています。成長しすぎて真ん中に「す」が入ったダイコンも、「す」のまわりさえみずみずしくて美味しいなんて、誰が想像できたでしょうか?

こんなに美味しい食べ物に巡り会えるなんて幸せだ……と、本日もじっくり噛み締めて食べました。

どんな大人になりたいかのこと

どんな大人になりたいかという問いに対する、明確なイメージがある。

幼い頃から、年相応にシワができたり白髪が生えたりすることに憧れがあった。「いつまでも若々しく」なんてのはもってのほかで、できれば、髪も背中も丸めて縁側でお茶を飲むような、小さなおばあちゃんになりたいなと思っていた。

でも、テレビのなかの大人たちは、シミやシワ、白髪を目の敵にして、いつまでも若さを保ちたいという姿勢をアピールしていたから、わたしも大人になれば気が変わって、失っていく若さを惜しむのだろうとも思っていた。

では、一般的な寿命から考えて人生もほぼ半ばあたりに差し掛かった今のわたしが理想とする姿は変わったのか?確かに、「髪も背中も丸めたおばあちゃん」から、「白髪をぼさぼさと流し、背筋をのばしたおばあちゃん」に変わった。でも他の価値観はそのままだ。白髪も人生を刻んだシワもシミも、やっぱりかっこいい。

健康的に肉のつまったおおらかな体型と日に焼けた褐色の肌、毛量が多くぼさっとした重ための白髪。できれば笑い皺の多い人生を歩めるといい。