どんな大人になりたいかのこと

どんな大人になりたいかという問いに対する、明確なイメージがある。

幼い頃から、年相応にシワができたり白髪が生えたりすることに憧れがあった。「いつまでも若々しく」なんてのはもってのほかで、できれば、髪も背中も丸めて縁側でお茶を飲むような、小さなおばあちゃんになりたいなと思っていた。

でも、テレビのなかの大人たちは、シミやシワ、白髪を目の敵にして、いつまでも若さを保ちたいという姿勢をアピールしていたから、わたしも大人になれば気が変わって、失っていく若さを惜しむのだろうとも思っていた。

では、一般的な寿命から考えて人生もほぼ半ばあたりに差し掛かった今のわたしが理想とする姿は変わったのか?確かに、「髪も背中も丸めたおばあちゃん」から、「白髪をぼさぼさと流し、背筋をのばしたおばあちゃん」に変わった。でも他の価値観はそのままだ。白髪も人生を刻んだシワもシミも、やっぱりかっこいい。

健康的に肉のつまったおおらかな体型と日に焼けた褐色の肌、毛量が多くぼさっとした重ための白髪。できれば笑い皺の多い人生を歩めるといい。