日の出に飛び立つ子雀たちのこと

明け方に、たくさんの鳥がそろっておしゃべりをしながら一方向へ飛んでいく、と母は言う。起きて、雨戸を開ける時間とちょうど重なるらしく、最近よく見かけていたらしい。少し遅く起きた朝も同じように見るものだから不思議に思っていると、鳥たちが飛んでいくのは暦に書かれた「日の出」の時刻とほぼ同じであることに気がついたそうな。

そんな面白いの、わたしも絶対見たい!と思い、日の出より少し前に起きた。

ぼさぼさの髪のままベランダに立つと、家のそばからスズメが一羽屋根に飛び上がった。遠くから一羽のカラスの美声が響く。少しずつ、鳥たちが起き出しているようだ。

ほどなくしてピチュピチュと小鳥の声が聞こえてきた。初めは数羽で会話していたが、どんどん数が増えていき、あっという間にビュンビュンと大勢の声が空に響きわたった。「あ、みんな起きた」と思うと同時に、ふんわりと暖かな色合いを帯びてきた空の上を、たくさんの小さな影たちが軽やかにおしゃべりしながら、東から西へ通り過ぎていった。その楽しそうなこと!一団が去ったすぐあとに、出遅れた者たちも慌ててついていくのも可愛らしかった。

こんな素敵なことが、日々行われていたなんて!

ちなみに、夕方になるとまた団体で帰ってくるのだとか。かわいいなあ。