幼い頃、ニンジンは嫌いな食べものの一つだった。
食べられないわけではないけれど、大きなかたまりはなるべく避けたかった。だって、喉の奥からオエッとする、あの匂い!特別苦手だったのがミックスベジタブルで、ニンジンもさることながら、その匂いがうつったグリンピースが最悪で、給食に紛れ込んでいると牛乳で噛まずに飲みくだすほどだった。
しかし、大人になるにつれ、ニンジンを食べてもオエッとしなくなってきた。むしろニンジンの自然な甘味を好ましく思うようになった。
特に好きなのは、農園でとれる無農薬ニンジン。
セリ科特有のスッとする匂いが強くて、程よく甘い。生で食べると特に美味しい。
わたしの味覚が鈍感になったのだろうが、嫌いなものを好きになれるのは嬉しいことだ。