カラスとわたしのこと、その2

ぼんやり歩いていたら、すぐ近くでカラスの声がして驚きました。

見上げると、すぐそばのカーブミラーの上にカラスが一羽とまっており、驚いた拍子に「うわびっくりした、おはよう」と謎のあいさつをしてしまったわたしに、少し戸惑ったような視線を投げかけてきました。(わたしには、近くにいる生きものに話しかけるくせがあります。(ただし、近くにヒトがいない場合に限る。))

カラスとわたしの間には、過去にも多少の出来事があります。

数年前の春〜初夏ごろには、甲高くしゃがれたような、これまで聞いたこともないような異様なカラスの声を聞きました。時期的に「卵かヒナを守っているのだろう」と推測し、近寄らないようにせねばと思いました。案の定、声のするあたりの木の下を歩いていたおじさんがカラスに頭を蹴られています。幸いなことに、わたしの進行方向は、巣があると思われる場所と反対だったので足早に離れようとしました……が、なぜかカラスは、遠く離れていくわたしの背中に向かって、突進してきたのです!

生まれて初めて、別種の生きものから攻撃されたことに驚きましたが、同時に衝撃だったのは、カラスの攻撃がものすごくソフトタッチだったことです。旋回するカラスの羽先が、背中に「フワアッ」と掠めたくらいの感触。このやさしい攻撃のことを、忘れることができません。

確かに、卵を守るためだとはいえ、相手を攻撃したことによって自分の身体を痛めてしまっては、これからヒナを育てるのに多大な支障がでます。カラスとしては、ナワバリの範囲外に出てもらえればいいのであって、無用な攻撃をする必要性も感じていないのです。

やっぱりカラスはすごく賢いなと思いました。かっこいいなー。

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