聞こえますか、聞こえますか。
本日もわたしは、自分以外の宇宙との通信を試みる。相手は自分と良く似た形をしているが、違う宇宙にいる人だ。
言葉は通じるはずなのに、通じない人。一方的に自分の言葉だけ伝えようとする人。深く考えないで言葉を投げつけてくる人。頑丈なはずの宇宙服を素通りし、いつのまにやら生身の自分は傷だらけ。
でも、なによりつらいのは、力になりたい相手が弱っているときに何もできず、分厚い防護ガラスの内側で自分の無力さを思い知るときだ。
本物のアストロノーツのように、人として、強くなりたい。