ヤモリちゃんと遭遇するのこと

朝、カーテンの裏に、とても小さなヤモリちゃんの影を見つけました。

どこから入ったのかさっぱりわかりませんが、ヤモリちゃんは確かにわたしの部屋の明るい窓辺のカーテンに張り付いていたのです。それまで、生でじっくりヤモリちゃん(しかも、こども)を見たことがなかったわたしは、あまりの可愛さに動揺しつつも、このままではいけない(*)と思い、丁重に外に出ていただくことにしました。

(*部屋の中にはヤモリちゃんが食べられるもの(虫など)もそんなにないし、同じ部屋で生活していたら、うっかりヤモリちゃんを踏み潰してしまう可能性もあるため。)

ガラス窓とサッシを少し開けると、ヤモリちゃんがするすると降りてきて、外へ出るようなそぶりを見せたので、わたしは安心し、早く出られるようにとサッシをジャッと開けました。この、ジャッがよくなかったのです。大きな音がしたため、ヤモリちゃんはびっくりして、ガラス窓とサッシの隙間の奥の奥へ入り込んでしまったのです!わたしはさらに動揺しました。

動揺したわたしは、下図のように、ヤモリちゃんに必死に話しかけながらガラス窓とサッシの位置をあれこれして、ヤモリちゃんを外に逃がそうとしました。あまりに必死だったので、かなりわけのわからないことを口走っていたと思います。以下が、その一例です。

「ヤっ、ヤモリちゃん!どうしよう小さい!めっちゃかわいい!…いや違う、そうじゃない。だ、大丈夫だよ!怖くないよ!おばさん、何にもしないよ!た、ただね、そこはね、その、すっごく危ない!サッシの隙間はね、挟まったら大変だから。巻き込まれたりしたらすっごく大変なことになるから!だから、出よう!うん。ちょっとだけ出よう!家の中は虫もあんまりいないし、外の方がおいしいものいっぱいあるから!だから、ちょっと、動いてみよう!うん、外の方に向かってね。大丈夫!怖くないよ!」

このやりとり(?)を30分ほど繰り返したでしょうか。ようやくヤモリちゃんは、サッシの隙間からするりと抜け出して、外へ走って行ったのでした。

「怖くないよ」と言っておきながら、ヤモリちゃんの側から見れば、巨大な別の生きものが、大きな壁面をあっちへこっちへ動かしてみたり、なにやら必死に叫んでいたりして、もう恐怖体験以外の何者でもありません。

すみませんでした。でも、これに懲りずに、我が家に住み続けて欲しいのです。だって、ヤモリちゃん、すんごくかわいくてかわいかったんだもの。

というわけで、本日は、ずっとヤモリちゃんのことを考えて、ふにゃふにゃしていました。

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