「動物」は逃げるのこと

「植物は<未来>を知っている〜9つの能力から芽生えるテクノロジー革命〜(PLANT REVOLUTION Le piante hanno gi á inventato il nostro futuro)」(Stefano Mancuso著)は、植物のすごさをこれでもかと語ってくれる本で、読み進めると面白いように目からぽろぽろ鱗が落ちてくる。

そのなかで、「問題を解決する植物、問題を避ける動物」という話がある。ざっくり言うと、その場を動くことができない植物は、現状を識別・分析し、なんとかして危機的状況のなかでも生き延びるための解決策を見つけて適応していくが、動物は何か問題が起きても「移動」、つまり「逃走」することで解決しようとする、というものだ。

確かに、動物は、自分自身で栄養を生み出すことのできないのだから、まわりに何もなくなってしまったら、そこから移動するしか術がない。特に、臆病でひ弱なヒトが「逃げる」ことで進化してきたのなら、逃げ続けることはとても自然なことだろう。

「逃げる」ことも大切なことなので、逃げたヒトを受け入れて、すんなりちゃんと生きていけるようにすることは、ヒト全体にとっても有益だと思うんだ。そして、ヒト全体をひとつの塊だと考えれば、植物のような問題解決も可能だと思うんだけど。

問題解決と見せかけて実は対処療法しかしてこなかったヒトだけれど、今後は植物を見習って、ぜひとも柔軟な問題解決力を身につけられるといいな。