おんなじ温度のこと

真夏のアスファルトの上を、黒くて大きなイモムシが歩いていた。

持ち上げてみると、あっつあつ。わたしの体温より高くなっていたみたい。

そのまま涼しい場所まで手のひらにのせていたけれど、あんまり嫌がらなかったのは、わたしの手の方が冷たかったからかしら。

そのうちなじんで、わたしとイモムシはおんなじくらいの体温になった。