失敗から学ぶ水辺づくりのこと

こういう水辺がいいな、というイメージがあります。石があり、土や泥があり、湿地を好む水草がたくさん生えていて、生きものは、石や植物を足がかりに水辺に近寄るのです。うん、いい。

なぜ今、理想の水辺の絵を描いたかというと、現実がうまくいっていなかったからです。

畑の片隅に水辺をつくるため、睡蓮鉢に生きものの足がかりとなる石を入れ、雨水がたまるのを待っておりましたが、水と石があるだけではだめだったのです。先日農園に行った時、わくわくと覗き込んだら、生きものたちが溜まった水から出られなくなって悲しいことになっていました。豊かな水辺を利用してもらおうと思っていたのに、わたしの考え足らずでえらいことに……。うわーん、ごめんよー!

「ここが足場だから、ここから水場に近づいてね」なんてのは、ヒトの勝手な考えで、小さな生きものには通じません。やるのならば、大きさも姿形も生き方も移動方法も違う多種多様な生きものたちのことをできるだけ思い描き、石だけでなく古木や生きた植物なども活用し、なるべく多くの素材と方法で、アクセス可能な道をつくらなければ。

失敗しなければ分からないことが、たくさんあります。