おカイコ様たちが、日々羽化されています。
その日は、御三方が羽化されていました。しきりに羽を動かしておしりをぎゅうぎゅうと押し付け合っているので、ふたりのオスがひとりのメスを奪い合っているのだろうと思いました。
でも、どの子がメスなのか、いまいち分かりません。
いつもは、ぽってりした大きなお腹のメスのもとへ、せわしなくハネを動かしながら体の小さなオスたちが詰め寄るのでわかりやすいのですが、今回は全員がハネを動かして動き回っており、体も小さく、どの子もオスにしか見えません。
そのうち、ふたりのおしりがくっついて無事にペアが決まりました。ほっとしてペアを別の箱に移し入れ、交尾&産卵できる環境を整えました。
次の日。
箱を覗いてみると、ふたりは離れて佇んでいました。いつもは、メスが卵を産み始めているのに、今回は卵を産む様子がありません。おかしいなと思いつつ、別のオスがいる箱に戻してみると、再びオスたちが興奮状態になり、くんずほぐれつの争奪戦が始まりました。
結論から言うと、とあるひとりのおカイコ様を別の箱に移すと、オスたちの興奮はおさまりました。羽が少しいびつなそのおカイコ様は、少しお腹が膨らんでいるように見えるものの、体は小さいし、お尻からフェロモンを出す突起を出すこともありません。ハネをせわしなく動かして、誰かと交尾しようとお尻をのばす様子は、オスのように見えました。
魅惑の両性の子だったのかしら。