わたしは毛糸のパンツ愛用者である。下腹部があたたまる安心感は何物にも代えがたい。
しかし「毛糸の」といいながら、履いているのは、アクリルとナイロンとポリウレタンでできたパンツである。マイクロプラスチックのことを考えるなら、一刻も早くオサラバしなければならない対象だが、ウールのパンツがなかなか見つからない。
ないものは、作るしかない。
編み進めるうち目がつまり、編み棒が動かなくなったほどの腕前だが、編み物に挑戦する気持ちは強い。
五本指くつ下と毛糸のパンツさえ編むことができれば、市場にそっぽを向かれたとしても生きていけるのに。