弱くて強いのこと

いろんな生きものを間近に見つめるようになってから、「いもむし」のことを「食べやすそう」だと感じるようになりました。

硬い殻や噛みきれない皮、毒を含んだ針や粘液、ごわごわする毛や刺さる粉、鋭い牙と爪などなく、つるつるむちむちもちもちボディのまま、のてのてゆっくり歩いているんですもの。

噛まずに飲み込んでも消化できそうだし、捕まえても攻撃されないんだから、そりゃあ捕食者も多いでしょう。多くの命を支える大事な存在であると同時に、一方的に食べられる「弱い立場」の生きものだとも感じていました。

しかし、「いもむし」の中には、ハチやアリなど多種の巣に入り込み、巣自体を食べて群れごと壊滅させたり、住人を洗脳して獲物を奪ったり、住人自体を食べちゃったりする方々もいらっしゃってですね。

そもそも他人の体に入り込んで寄生する方も、亡骸を食らって出てくる方も、「いもむし」タイプが多ございましたね。

現在は、恐れ多くも、一番弱くて、一番強い生きものやと思っています。