オオカマキリの婿が勝手に来たのこと

朝起きると、庭に出しておいたオオカマキリさん(メス)のカゴの上に、見知らぬオオカマキリさん(オス)がおふたりも乗っており、非常に困惑しました。

お育てしているオオカマキリさん(メス)は、もともと体格が良く、バッタなどをモリモリ食べてお腹も大きくふくらんできておりました。野生のお方なので、交尾済の可能性もあり、このまま元気に育って卵を産んでくれたらいいなと思っておりました。

そんななか、突如現れた婿候補2名。冬を越し、我が家の庭で生まれたオオカマキリたちだと嬉しいのですが、庭先でこんなに立派なオスを複数見た記憶もないので、近所から飛んできた方も含まれると思われます。

困惑するヒトには目もくれず、カゴのなかにおわすオオカマキリさん(メス)に夢中なおふたり。諍いをすることもなく、どちらも諦める様子もないことから、両方カゴに入っていただき、どうなるか見届けることにしました。

カマキリの交尾といえば、「メスは交尾のために近寄るオスさえ食べる」「交尾後、オスは食べられる」「交尾中でも食べられる」など、メスの獰猛性を誇張したイメージが流布されています。わたしも「カゴに引き入れた婿さんが食べられたらどうしよう」とひやひやしていたのですが、結果的には、大変スムーズに交尾にいたり、その後オスが食べられることもなく、カゴのなかで共に過ごしておられました。

面白かったのが、ふたりの婿候補の動き。

オオカマキリさん(オス)を手に乗せて、ひとりひとりカゴの中に入れたのですが、一方がわたしの手から逃れてパッと飛び上がり、もう一方のオスの目の前に着地したのです。単にヒトの手から逃れるための動きだと思っていましたが、ふたりをカゴの中に入れた後、飛び上がった方はすみやかにメスに近寄り交尾に至ったのに対し、もう一方はメスに近寄りもせずカゴの隅でじっとしていたことから、相手を牽制したのではないかと推測しました。

ちなみに交尾済のメスさんのもとには、今日もオスがおひとり訪れておりました。