人生糾える縄の如しのこと

人生糾える縄の如し、という言葉を、わたしは漫画で知ったのだ。高校か大学か、ともあれまだとても若い頃だ。

初めて知った時、知らなければよかった、と思った。

だって、万事がうまくゆかずとも、ある程度良い感じのところでぷかぷかと漂い続けていたいのだもの。上昇した分だけ下降することが決まっているとしたら、これほど嫌なことはない。

それからかなり月日が経ち、今を迎えたわたしは、人生糾える縄の如しを歓迎するようになった。

皮膚の調子が治りきらず、良くなったり悪くなったりの波を繰り返うちに、悪い状態の底を感じられるようになってきた。

後は、良くなるだけ。なんと嬉しいことだろう。