道具は関係ないのこと

愛用かばんのプレインさんのほつれをようやく縫ったのは、随分前のことです。

あれから数ヶ月間、いろいろとありました。

ほつれた部分は体と接する部分のため、使い続けるうちに、せっかく縫った糸がボロボロになり、ほどけて裂け目は広がるばかり。さらに、何度も縫ってはほどけ、縫ってはほどけを繰り返すうちに、プレインさんの革自体も、少し脆くなりつつありました。

そこで、まずはプレインさんの革を元気にするところから始めようと、いつもよりもリッチなクリームを買ってきました。コロニルシュプリームクリーム(無色)です。丁寧にぬりこんで、数日間ゆっくり休ませると、プレインさんのお肌がつやつやすべすべしてきました。

補修に使う道具も変えました。革製品には専門の道具が必要だろうと思い込み、レザークラフト用の縫い針とロウのついた糸を買って補修してみたのですが、針が太いので穴は広がるわ、糸は脆いわで、散々でした。新しい革製品を作るならまだしも、ダメージを受けている革製品のお手入れには向いていないのです。

普通の縫い針とミシン糸を使ったところ、細いのですでに空いた穴にも通しやすいし、糸も丈夫だし、しっかりきっちりと縫い合わせることができました。

おかげさまで、なんとかひと月、もっています。よかったー。