広くて清潔でキレイな店舗の中、おしゃべりがはずむ大きなヒトビトの足元で、小さなヒトが「もう帰ろうよ」とぐずっていた。
その気持ち、わかるよ。
広大な売り場に並ぶのはたくさんの商品たち。動きもしないし、変わりもしない。触っていいものなんかひとつもない。そもそも、小さなヒトから見える位置には、楽しいものなんて何もないんだもの。大人が夢中になってうろうろする気持ちが全くわからない「つまんない」場所だよね。
まるで「砂漠」のようだ、という言葉が浮かんだのだけれど、「砂漠」と比べるなんて失礼だと気づいたよ。
だって「砂漠」には、圧倒されるような美しい景色があり、体全体で熱さ・寒さ・乾き・潤いを感じることができるし、昔からたくさんのヒトや生きものを育む懐の深さもある。過酷な環境だけれど、とても豊かな場所だとわかるだろう。
広くて清潔でキレイな店舗の中、わたしにとっての「つまんない」場所は、年々広がっていくようだ。