自分を基準に考えるのこと

ヒトは、自分の中から世界を窺い知ることしかできません。

先日、待ち望んでいた本の発売日に、お目当の本が店頭にないということがありました。単に、入荷されたものの並べられていなかっただけなのですが、わたしの中で色々な思いがよぎり、無駄に店内をうろうろしてしまいました。

その本は、世間一般の売れ筋や話題とは無縁のものと認識していましたが、発売日に店頭ない、と分かった途端、もしかしたらものすごい勢いで売れてしまったのではないか、と思ったのです。自分というそんじょそこらのヒトが長年興味をもっている著者の本だもの、わたしと同じように待ち望んでいたヒトがたくさんいるんだきっと!、という、自分の思考を中心とした解釈ですね。

冷静になろうと検索機で在庫を調べると、どこどこの棚に五冊ある、と出てきました。マイナーな本なので、もともとの入荷が五冊なのですが、このときもわたしには、売れに売れてしまった結論、あと五冊しか無いんだ!と焦りました。さらに、該当の棚に駆けつけてよーく見ても、その本はひとつも無いのです。ここでもわたしは、この短い間に五冊もの本が売れてしまったのかもと思い……、いや、さすがにそれはおかしいやろ、とようやく気づきました。思い切って店員さんに確認し、入荷された本を手にすることができました。

よかった、よかった。