終戦記念日のこと

テレビの戦没者慰霊式の映像を見ながら、黙祷した。だからだろうか、戦争で亡くなった人々を追悼し祈を捧げるとき、頭に浮かぶのは日本の戦没者だ。

「終戦」について調べてみると、「第二次世界大戦の終わった日」は、国によって日にちも呼び方も違うことを紹介するページに行き着いた。

特に目を引いたのは、ドイツ連邦共和国大使館・総領事館のWebページに掲載されている「ナチスからの解放と欧州における第二次世界大戦終戦75周年」におけるシュタインマイヤー大統領のスピーチを紹介するページだ。

戦時下に祖先が体験したことから目を背けず、国や世代を超えて、記憶を呼び起そう。目を背けたり、なかったことにしようとする権威的な思想や政治から、自らを解放しよう。という呼びかけが心に響いた。

戦争を二度と起こしてはならないと誓ったにもかかわらず、戦争は続いている。

残念ながら、わたしが住む国でも、戦争は「遠い昔の出来事」ではなく、いつでも「今まさに起ころうとしていること」であると常々感じている。それは「外」に脅威があるからではない。わたしには相互不信や分断、敵対心を煽ろうとする政治や報道こそ、脅威であると感じている。