変化のこと

夜のバス停から、こっそり眺め続けた一本の街路樹は、今日もウサギの魔物の形を保ったままだ。

先日も、変化しないところがおかしい、ということを書いたが、よくよく見ると変化はあった。

気付けば、2対の翼が生えている。

一方は、天使の羽のように羽毛がふさふさと生えたもの。もう一方は、悪魔的な骨組みだけのもの。

ちなみに本日を最後にこのバス停を利用することはなくなるため、ウサギの魔物も見納めとなった。

ウサギの魔物の正体を暴くような無粋なことはせず、ミステリアスな最終進化を感じられてよかったと思う。

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