進化の過程のこと

高校生の頃まで、お絵かきの道具には色鉛筆を使っていました。

色鉛筆がとても好きだったというよりは、絵の具の使い方がよくわからなかったので、色鉛筆さんのお世話になっていたという感じです。

色鉛筆は「使い方」なんて習いません。好きなように色を重ねて、遊ぶことができたので、楽しくいろいろお絵かきをしました。

一方、絵の具には、ずっと苦手意識を持っていました。学校で「使い方」を習いましたが、なかなか上手に使えません。パレットの上できちんを色を分ける、混ぜる時は別の場所に移す、筆をきれいに洗ってから別の色を塗る・・・。教わったとおりにやっても、思ったような色にならないし、変なムラはでるし。自分には合っていないと思っていました。

大学に入り、急に、絵の具を使ってみようと思い立ちました。道具がないので、パレットがわりに食品トレイを使いました。別に誰に見せるわけでもないという気楽さで、色を混ぜてみたり、水を足してみたりしていると、だんだんと面白い色が出るようになり、ようやく絵の具の面白さがわかるようになりました。

「使い方」は知っておいた方がいいけれど、「使い方」を無視して、自分で楽しく遊んだ方が早く上達することもある、と気づきました。