通りすがりのヒトに助けられているのこと

「自分ひとりじゃどうにもならない、助けて!」という状況で、ふと、通りすがりのヒトが助けてくれるときがあります。

その助け方は様々で、「大丈夫ですか?」とやさしく声をかけてくれたり、側溝に落ちた車輪を引き上げてくれたりという直接的なものだけではありません。

例えば、今日、急に具合が悪くなりトイレの個室でぐったりしていると、誤って電気を消されてしまいました。周りも暗いし、血の気も引くし、脂汗はでるしで、「これはもーあかん」とぐるぐるしていたとき、ぱっと部屋の灯りが点いたのです。トイレを使用するために入ってきたヒトが、灯りを点けたという当たり前の話ですが、その「ぱっ」のおかげでわたしの意識も急浮上し、徐々に改善していきました。

さらに、その帰り道。混み合う電車のなかで「しんどいな」と感じていると、目の前の空いた座席に座らないでいてくれたヒトがいて、少し離れたところに立っていたわたしがいそいそと座らせていただくことができました。

ただ部屋の灯りを点けただけ。ただ目の前の席に座らなかっただけ。顔も名前も知らない誰かがとった何気ない行動が、確実に今日のわたしを助けてくれたのでした。本当にありがたいことです。

わたしも元気なときには、誰かのささやかな助けになるように、少し意識して行動してみよう、と思いました。