草の根の下に広がる世界のこと

道端の草たちを根ごと引き抜くと、アリがわんさか出てくるときがある。おそらく、草の根を出入り口に、地中の一大国家を築き上げていたに違いない。我々の伺い知れない小さくて大きな世界が、道端の草の根元で栄枯盛衰を繰り広げているだなんて、壮大なロマンを感じる。

ちなみに、道端の草たちには、近所のタンポポから飛ばされた種が大量に付着していた。タンポポの種たちの旅は、案外近所で終着するようだ。