手帳のなかの物語。セビトという街に住むヒトの妄想、その1。
街の片隅にある古びた薬屋には、さびれた店内にはそぐわない闊達な雰囲気のねえさんがいて、自家栽培の植物や砂漠で仕入れた怪しげな乾物などを組み合わせた薬を調合してくれます。
見た目どおり、腹の底から「がっはっは」と大笑いするタイプですが、薬を扱う手先はとても繊細で、素材ひとかけらも無駄にしません。薬そのものよりも、数々の効力を生み出す自然のちからに魅力を感じており、素材を知り、組み合せる面白さを追求したい学者肌なところがあります。
また、薬を薬として服用することを嫌うところがあり、調合薬そのものを渡すのでなく、飲み物や調味料や、お菓子など、日常的に飲食できる形で提供しています。
……とね、昔からぼんやりとこういうことばっか考えてんス。はい。