ハエの寄り方から察したのこと

本日も、朝から農園で、秋冬野菜の種を蒔きました。

種を蒔く、ということは、土を耕す、ということ。そして、土を耕すということは、その部分に暮らす生き物の住処を壊すということです。それをまざまざと思い知ります。

いきものたちが過ごしやすい環境を保つことで、その力を借りながら食べものを育てようとする農園には、とてもたくさんのいろんないきものが、あらゆるところに生きています。

今どきの草は、夏と比べると旺盛さがなくなり、刈ると、根元は枯れたようになっています。夏の間好き放題伸びた草の根を取り除いているときも、アリやらクモやらハサミムシやら陸生の貝やら、もうなんかよくわからんたくさんのものが、てんやわんやと動いているのが分かります。

「すまん、いまからここに種を蒔きたい。なるべく壊さんようにするから、今のうちに逃げてくれんか、」と話しかけても、当然通じません。

野菜を育てるのはただのヒトのエゴなのに、他のいきものの住処を破壊したり、うっかり殺したりすることになるのです。手を動かしながら、昨日写経をしたときに唱えた「不殺生」という言葉がぐるぐる回ります。

ともかく、できるだけ被害を出さないよう、カブを植えるところだけクワで耕し、葉物を植えるところは耕さないことにしました。すると、クワで耕した方に、ブンブンと小さなハエが寄ってきたのです。ハエたちはとても優秀な分解者で、いきものが死ぬとどこからともなくやってきます。つまり、耕した方がいきものたちのダメージが大きかったのですね。

そんなことをハエたちの寄り方で察しました。

うう、不耕起栽培、目指したい。