梅ちゃんをめぐるアリとわたしの攻防のこと

ここしばらく、我が家の梅ちゃんをめぐり、アリとわたしは攻防を繰り広げていました。

梅ちゃんは、たくさんの新芽をつけて大きくなろうとしていました。

アリは、梅ちゃんの新芽にアブラムシをたくさん運び、広大な牧場を作り上げようとしていました。その量が半端じゃない。新芽という新芽にアブラムシがびっしりとつき、新芽がどんどん枯れていきます。

木は、たくさんの命を育むことができる、すごい生き物です。しかし、このアブラムシの量は、小さな梅ちゃんが育ることができる許容量をはるかに超えたように見えました。

わたしは、無心でアブラムシをこそげおとしました。偶然我が家にやってきたナミテントウをご案内し、しばらくの間滞在してもらったこともありましたが、気づけばどこかへ行ってしまいました。おとしてもおとしても、次の日にはびっしりアブラムシがついており、新芽はますます枯れていきました。

実はこの時点まで、わたしはアリの存在に気づいていませんでした。目の前のアブラムシをなんとかしなければと、やっきになっていて、アリがアブラムシを育てて甘露を得ることをすっかり忘れていたのです。

わたしがそれに気づいたのは、虫除けになればとやけくそで置いたローズマリーの枝にアリがたくさん集まってきたのを見たときでした。どんなにどかしてもアブラムシが集まってくる理由がようやく分かり、梅ちゃんの鉢の真裏にあったアリの巣の存在に気がつきました。

それから、わたしは鉢を移動し、直置きだった鉢の下に水受けをおいて、なるべく水を蓄えて置けるようにしました。しばらくして、アブラムシの姿は見えなくなりました。

明日に続きます。