ナミテントウと勝手なヒトのこと

ナミテントウに会ったのは家の中でした。廊下の壁の上のほうに、黒字に赤い点々がふたつついたテントウムシがひっついていたのです。どうにかしてテントウムシを我が家に連れてきたいと悩んでいた頃でしたが、まさか家の中で出会うとは思わずとても驚きました。

梅ちゃんの鉢まで丁重に運び、アブラムシを思う存分食べてほしいとお願いすると、ナミテントウは逃げることなく葉の裏でじっとしていました。それから毎日ナミテントウの姿を確認しましたが、まだ寒い時期だったのであまり元気がないように見えました。

心配しているうちに、ナミテントウはある日突然いなくなってしまいました。再び勢力を取り戻したアブラムシとわたしのいたちごっこが始まりましたが、ナミテントウが元気になって飛んで行ったのならいいと思いました。

それからアリの存在に気づき、水受けを準備したのです。残念ながら水受けにたっぷりと水をいれても、次の日には甲斐甲斐しくアブラムシの世話を焼くアリたちの姿を見かけました。なかなかうまくいかないものだとしょんぼりした次の日、同じ枝がつるりときれいになっていて驚きました。アブラムシ牧場の痕跡がありません。

理由は、今日分かりました。小さな小さなナミテントウの幼虫を発見したのです。たぶん、あのナミテントウの子供達が梅ちゃんの上で生まれたのでしょう。子供達はせっせとアブラムシを食べ、梅ちゃんは今まで以上につるりときれいな枝になったのでした。なんとういうスペクタクル!

こうなると、ナミテントウの子供がおなかをすかせていないかと心配になります。またアブラムシが増えないかなと考えるわたしは、とても勝手なヒトです。