アリが干し芋を隠した(?)のこと

最近の我が家でのアリの行動を観察した結果、その生態についての考察をまとめたいと思います。

家の庭のどまんなかに、果物の芯などをそっと置いて、次の日の虫たちの食いつき具合を確認するのが、最近の私のひとかな楽しみとなりました。(注意:ご近所迷惑にならない程度のごくわずかな量ですのでご安心を。)

先日、カビてしまった干し芋をひときれ進呈しました。

折しも雨が強くなり、芋はふやけてしまいましたが、雨が弱まるとともにだんだんとアリたちが集まり「よきかなよきかな」と目元をほころばしておりました。しかし、再び雨が強くなったあと、芋の上に土が覆いかぶさっているように見えたので、雨のせいで土が跳ね上がったのかしらんと軽く考えておりました。

次の日の朝、芋の様子を確認してびっくり。干し芋のかわりに、ほぼ同じくらいの大きさの土の山がこんもりとできていました。あのあとそんなに強い雨は降っていないし、明らかに不自然です。堪り兼ねて土の山をほじくってみると、ふやけた干し芋が上手に隠されているではありませんか!その様子を見て、慌てふためくアリたち。君たちがやったのね。

よく、路上で息絶えたミミズや虫のまわりに、アリが砂つぶを集めてくるのを見かけましたが、それは虫を解体するための足場をつくっているのだろうと思っていました。甘くておいしいうえにふやけて食べやすい干し芋という名のエネルギーの塊は、あらゆる生き物に大人気です。それをわざわざ土に埋もれさせるのは、他の生き物から隠すためではないでしょうか。

残念ながら、どんなに土に埋めても、一部のダンゴムシやゴミムシたちには通用せず「うめえうめえ」と端から食いつかれていましたが、その数は、パイナップルの芯を庭に置いた時よりも少ないように感じました。あ、ナメクジもあんまりいなかったかも。

あれ?じゃあ、パイナップルの芯のときは、どうして土に埋めなかったんだろう?あま〜くておいし〜いのは変わらないのでは?でも、芋よりも水分が多いし、繊維の質も違うなあ。ザ・糖分の芋とはエネルギー量が違うのかもしれないな。うーん。

とにかく、虫たちの行動が奥深すぎて楽しいです。