図鑑を絵本がわりにするぞのこと

幼い頃、クスノキもサクラもクリもカキも、みんな同じ木に見えました。

樹木を見分けるポイントは「樹形」や「葉」「花」「樹皮」「生えている場所」などいろいろありますが、幼いわたしの視点で見える木はどれもこれもみんな同じに見えたため、「これはシイの木、これはサクラ」など当たり前のように樹木の名前を当てられる大人のことを、「こんなわけわからんものを見分けられるとは、大人ってすげー。」と思っていました。

大人になった今、わたしもようやく、特徴的な樹木を見分けることができるようになってきました。植物についてとても熱心に勉強した、というわけではなく、興味をもっていろいろ見ているうちに、なんとなく見分けられるようになったのです。大人になるってのは、すごいことだと思います。

それでも、まだまだ見分ける力が足りません。

世の中には、植物や虫を瞬時に見分け、それらが生きている環境についても把握することができるすごいヒトビトがたくさんいます。わたしもそんな仙人になりたいと思い、秘訣を聞いたところ、尊敬する一人から「絵本がわりに図鑑を見るといいよ」と言われました。そのヒトからは、他にも「図鑑は写真を見るより、周りに書いてある文章にヒントがある」ということも教わっています。なるほど。

早速、畑にうじゃうじゃ生えてくる草たちについて調べようと、図鑑を広げました。……が、ひとつめからすでに見つかりません。似ているものにはたどり着けても、葉っぱや花の形が違うし、どのように近づけばいいのかも分からない状態。

まだまだ修行が足りません。