余裕がないということはのこと

具合がすこぶる悪い時、自分のことしか考えられなくなります。

具合が少しだけ良くなって、おカイコ様の箱をちらりと覗くと、いつもよりもじっとしてらっしゃるような気がしました。

これは、脱皮前の「眠」では?今は具合が悪くてわたしもこまめにお世話できないし、ちょうどよかった。このままわたしも具合が良くなるまで寝てしまおう。

そんなことを考えながら、ひたすらぐったりと眠りにつきました。

ようやく具合が良くなり、再度おカイコ様の箱を覗いてみました。

……あれ?「眠」じゃない?

桑をたくさん差し上げると、ようやくきたかとムシャムシャ食べ始めました。

なんてこった。

自分に余裕がないときは、観察力も失われ、都合よく事実を捻じ曲げてしまうということがわかりました。