腐葉が好きなミノムシのこと

ひとしきり森を歩いたあとで、ふと左腕を見ると、小さなミノムシがくっついていました。すでに開けた場所まで来てしまっていたので、もといた場所に戻ることもできず、ちゃんとお世話をすることを誓って連れ帰りました。

農園で見つけたミノムシが、クリの新芽やイネ科の植物をばくばく食べていたので、この子も同じようなものを食べるだろうと軽く考えていましたが、新鮮な葉にのせても、このミノムシはうろうろとさまようばかりで食べ跡もうんちもできず、ついにはじっと動かなくなってしまいました。

ほとほと困り果てた頃、ケースのなかに入れたクリの葉の一枚が、しっとり湿ったまま黒ずんできました。乾燥して枯れたのではなく、腐り始めたという状態で、別の葉にはカビの胞子のようなものも出始めています。このままではケース内の環境が劣悪になってしまうと焦り中身を確認すると、黒ずんだクリの葉にミノムシちゃんがしがみついているではありませんか!小さな食べ跡と小さなうんちも確認できたので、どうやらこのミノムシちゃんは腐りかけの葉を好むようです。

その後、新鮮な葉、カサカサに乾燥した枯れ葉も加えてみましたが、今のところミノムシちゃんがへばりついてくれたのはしっとり黒ずんだ腐葉のみ。森の中でなら新鮮な腐葉もわんさかあるのでしょうが、飼育環境下で他の虫もカビもわかせずにしっとりした腐葉をつくるのはなかなか困難です。

困難ですが、やるっきゃないのです。