はじけてとんでく祭りのこと

草むらから小さく「ピシ」「パシ」という音が聞こえてきました。

音の正体が掴めずしゃがみ込んでじっと観察していると、枯れかけて乾燥したスズメノエンドウとカラスノエンドウ付近が、断続的にパチパチと鳴っています。

よーく見ると、パリパリに乾いた茶色い豆のフサがたくさんついており、中には二つに割れてねじれたものも。

おーおー、なるほど、豆がはじけてとんでいるのね。と頭で理解するのと同時に、ピシっと頬に豆がぶつかりました。顔を近づけているとはいえ、30センチくらいは離れているのに、ここまで届くなんて!

豆をはじけとばず祭典に混ぜてもらえたような気持ちになって、一気に笑顔になりました。

カエルの卵のこと

カエルなど両生類の卵は、透明なプルプルゼリーのなかで成長していく様子が間近に見られるところがすごい。

さらに、あの小さな体から、あんなに大量の卵塊を生み出すことができるところがすごい。

すごいが、すぎます。

それなりの理由があったのだのこと

30cmにも満たない小さな柑橘系の鉢植えで、たくさんのアゲハの幼虫が育った結果、葉がほとんど食い尽くされて丸裸になっていました。

アゲハ(成虫)さんたら、こんなに小さな鉢植えに卵をわんさか産みつけるなんて、何を考えていらっしゃるのでしょう。

骨のようになってしまった木から幼虫をおひとりずつ取り除き、わんさか葉っぱをつけている大きな大きな木へ移動させます。

はじめから、こういう大きな木に産めばいいのに……。ん?あれは、クモ?

幼虫を乗せようとした葉の上に颯爽と現れたのはハエトリグモさん。さらに、別の場所には巨大な蜘蛛の巣が複数ある上、わんさか子グモがわいている巣もあります。

そうです。溢れるほどたくさんの葉っぱを抱えてる大きな木には、たくさんの先住者がおり、新しく生まれる命(ごはん)を待ち構えているのであります。

さすがにこの付近に幼虫を置き去りにするわけにもいかず、少し離れた葉の上へ乗せましたが、同じ木の上のこと、影響がないとは言えないような気がします。

アゲハ(成虫)さんが、捕食者のいない新しい鉢植えを選んだ理由がわかりました。

どっちにしろおろおろのこと

昼までは「クワが足りぬ」と不満げだったおカイコ様たちが、夜には「クワなどいらぬ、まゆ作りたし」といった感じの仕草をするようになりました。

ここ連日のクワ採取ラッシュにくたびれ、結構な量を差し上げてもすぐにペロリと平らげてしまうカイコ様たちの食欲に恐れ慄き、「早く…!早く、まゆになってくれ!」と願い続け、オロオロしていたわたし。

しかし、差し上げたクワに見向きもせず、成長痛に悩む子どものように身をよじり、まゆを作り始めるまであちこちうろうろし続けるおカイコ様たちを前に、やっぱりただオロオロすることしかできません。

早く…!早く、無事にまゆになってくれ〜!

風門を温めるのこと

少し暑いような、でも肌寒いような、じめじめしすぎて汗をかくような、本日はそんな日でした。空気中の水分を吸ったのか、いつの間にか衣服全体が湿り、体が冷えていました。ひととおり着替えてもまわりの湿り気は変わらないので、再びじんわり汗をかき、体は冷えていきます。

このままでは体調を崩すかもと懸念し、首と風門に乾いたタオルをあてて過ごすうちに、だんだんと体があたたまってきました。

風門をあたためるの、大事です。

腐葉が好きなミノムシのこと

ひとしきり森を歩いたあとで、ふと左腕を見ると、小さなミノムシがくっついていました。すでに開けた場所まで来てしまっていたので、もといた場所に戻ることもできず、ちゃんとお世話をすることを誓って連れ帰りました。

農園で見つけたミノムシが、クリの新芽やイネ科の植物をばくばく食べていたので、この子も同じようなものを食べるだろうと軽く考えていましたが、新鮮な葉にのせても、このミノムシはうろうろとさまようばかりで食べ跡もうんちもできず、ついにはじっと動かなくなってしまいました。

ほとほと困り果てた頃、ケースのなかに入れたクリの葉の一枚が、しっとり湿ったまま黒ずんできました。乾燥して枯れたのではなく、腐り始めたという状態で、別の葉にはカビの胞子のようなものも出始めています。このままではケース内の環境が劣悪になってしまうと焦り中身を確認すると、黒ずんだクリの葉にミノムシちゃんがしがみついているではありませんか!小さな食べ跡と小さなうんちも確認できたので、どうやらこのミノムシちゃんは腐りかけの葉を好むようです。

その後、新鮮な葉、カサカサに乾燥した枯れ葉も加えてみましたが、今のところミノムシちゃんがへばりついてくれたのはしっとり黒ずんだ腐葉のみ。森の中でなら新鮮な腐葉もわんさかあるのでしょうが、飼育環境下で他の虫もカビもわかせずにしっとりした腐葉をつくるのはなかなか困難です。

困難ですが、やるっきゃないのです。